2005.12.5

日本書籍出版協会

 

出版契約書(一般用)ヒナ型の改訂点

 

 

当協会ではこのたび、出版契約書(一般用)ヒナ型を2000年版から2005年版に更新しました。更新にあたっての改訂箇所は、以下の通りです。

 

 

第 14 条の小見出し(表題)は、従来「(定価・造本・部数等)」となっていましたが、今回から「製作・宣伝・販売方法等」と改めました。内容的にはこれまでと変わりありません。

 

第 19  (複写)の一文目が、「甲は、本出版物の版面を利用する本著作物の複写(コピー)に係る権利(公衆送信権および複写により生じた複製物の譲渡権を含む)の管理を乙に委託する。」となりました。下線部分が今回追加された箇所です。

現在でも、出版物の複写(コピー)により生じた複製物を第三者に提供する権利(譲渡権)について、再委託先の(社)日本複写権センター(株)日本著作出版権管理システムにおいて複写に係る権利として権利処理が行われています。上記下線部分を加えることによって、複写により生じた複製物の譲渡権を乙が受託していることを明記しました。

 

第 21  (二次的使用)は、「この契約の有効期間中に、本著作物が翻訳・ダイジェスト等、演劇・映画・放送・録音・録画・電子媒体・貸与等、その他二次的に使用される場合、甲はその使用に関する処理を乙に委任し、乙は具体的条件について甲と協議のうえ決定する。」となりました。下線部分が今回追加された箇所です。

 平成17年1月1日から書籍・雑誌の貸与権が著作権法で認められ、有限責任中間法人出版物貸与権管理センターにおいて権利処理(現在は暫定的な運用)が行われています。現在レンタルブック店等においてレンタルが行われている出版物の9割以上がコミックスですが、文芸書や新書等でレンタルが想定されるもの、想定される著作者の出版物については、別途貸与権に関する契約書・覚書を結んでおく必要があります。また、既刊行分についてもレンタルブック店から要請があった場合は、できるだけ著作権者との契約締結をお願いします。契約書・覚書は出版貸与権管理センターが用意しており、著作物ごとに個別に契約するもの、著作者ごとに包括的に契約するものがあります。詳細は出版物貸与権管理センター(03-3222-5339)まで。

 

第 29 条(秘密保持)甲および乙は、この契約の履行に関連して知り得た相手方および相手方の取引先等に関するすべての秘密情報を、相手方の書面による承諾なく、第三者に開示または漏洩してはならない。」は、今回新設しました。従来このような内容は黙示的なものでしたが、2005年版から明示的に規定し、双方に秘密保持を義務付けました。

 

第 30 条(個人情報の取扱い)甲および乙は、個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)の趣旨に則り、本著作物の出版およびそれに付随する業務において知り得た個人情報の取扱いには十分留意しなければならない。」も、今回新設です。平成17年4月1日から、個人情報保護法が全面施行されました。出版物の内容については、同法第50条第1項第1号の「報道機関(報道を業として行う個人を含む) 報道の用に供する目的」にあたる場合と、同第2号の「著述を業として行う者 著述の用に供する目的」にあたる場合が個人情報取扱事業者(5,000人以上の個人情報を有する者)の義務等の適用除外となりますが、顧客情報等については適用除外となりません。それらの個人情報が漏洩した場合は社会的責任が生じますので、上記のように規定しました。特に読者カードやファンレター等の取扱いには十分留意しなければなりません。(書協のホームページにはガイドラインとして『出版社における個人情報保護対策の手引』や『個人情報保護対策等に関するQ&A』などが掲載されています。ご参照ください。)

 

2.甲は、乙が本出版物の製作・広告・宣伝・販売等を行うために必要な情報を自ら利用し、または第三者に提供することを認める。ただし、著作者の肖像・経歴等の利用については、甲乙協議のうえ取扱いを決定する。」は、上記第30条の第2項です。出版物のタイトルと著作者名(ペンネームを含む)が組み合わされた情報(書誌情報)は、個人情報として同法の保護の対象となります。著作権法第19条により著作者は氏名表示権を持ち、その指示で出版社は出版物に著作者名を表示し、書誌情報を第三者(取次会社や書店や書協等)に提供したりホームページ等で公開したりしてきましたが、個人情報保護法の全面施行を受け、本規定によりあらためて著作者の個人情報の取扱いについて確認しています。

なお、著作者の肖像・経歴等の利用については、書誌情報等に比べるとプライバシーの度合いが高く影響も大きいため、甲乙協議のうえ取扱いを決定することとしました。

 

 

      以上が今回の改訂箇所です。なお、今回2005年版から判型がA4サイズになりました。ご不明の点等ありましたら、書協事務局までご連絡ください。

 

【お問い合わせ】

 (社)日本書籍出版協会・調査部(樋口、川又、小杉)

03-3268-1303 E-mail:rd@jbpa.or.jp