『角砂糖の日 新装版』


審査員の講評(抜粋)

詩集のタイトルと歌の表現世界が、品格のある本の形に結実した。 色彩のコントラストが美しい。白い帯のグレーの函から本体を引き出すと深い紅色。 小さな箔押しの装画と文字が微光を放つ。 表紙を開けば、はなだ色の見返し。本文はページ中央に1首。直下にノンブル。 歌からたちのぼるイメージは、白い余白にたゆたう。奇をてらったものは何もない。 基本の構想と素材の選択が見事で、個人的には一番好きな作品だった。(浜田桂子)