『根源乃手/根源乃(亡露ノ)手、……』


審査員の講評(抜粋)

一番手はこの本と決めていたほど図抜けて凝った、しかし、 すっとした造本装幀である。血流をイメージした赤い線、被膜のようなカバーとの 合わせも繊細で美しい。本文は、さらにデリケートに手書きの原稿の再現がなされている。 静かにしかし激しく熱が感じられ、ページをめくるという快感と、都度のインパクトとを 併せ持っている。長大な蛇腹ページは感動的ですらある。 その実現がいかに困難か知っているだけに、製本者にも敬意を表したい。(ミルキイ・イソベ)